症例紹介「胆嚢粘液嚢腫/胆嚢摘出手術 」

今回は実際に千葉どうぶつ総合病院で行われた、胆嚢粘液嚢腫の症例についてご紹介いたします。

胆嚢粘液嚢腫とは、何らかの原因で胆嚢の中にゼリー状の粘液物質が貯留した状態をいいます。
胆汁の分泌を障害するために様々な消化器症状を引き起こし、状態が進むと、黄疸や胆嚢破裂に伴う腹膜炎などの重篤な合併症を引き起こします。

基本情報(患者情報および状態の所感)

  • 犬種:チワワ
  • 年齢:10歳6ヶ月
  • 性別:去勢雄
  • 体重:4.5kg
  • 主訴:2日前からの食欲廃絶/複数回嘔吐で来院、他院で対症療法実施するも改善なし

実例(検査~手術~術後までのプロセス)

検査所見

血液検査  
・軽度ALT高値、ALP高値
・軽度T-bil高値
・CRP 9.3mg/dl

腹部超音波検査
・胆嚢拡張、胆嚢内は低エコー物で充満/中央部にのみ高エコー物
・胆嚢壁は二重に描出され、胆嚢尖部は不整な高エコーに描出
・十二指腸乳頭部腫脹、胆管拡張

CT検査
・胆嚢拡張、胆嚢中央部は石灰化陰影
・総胆管拡張、全域が描出され4mm

以上より胆嚢粘液嚢腫・胆管拡張・胆嚢破裂を疑う所見を認め、胆嚢摘出手術を実施した。

手術所見

以下簡単な手術の流れになります。

  • 剣状突起頭側から臍下まで広く正中切開、開腹
  • 胆嚢に付着する肝葉を剥離し、胆嚢を胆嚢管まで全体露出
  • 胆嚢尖部を切開し胆嚢内容を排出。胆嚢内容は典型的な粘液嚢腫
  • 胆嚢管にアトムチューブを挿入し、総胆管を洗浄
  • 胆嚢管を離断、胆嚢摘出
  • 定法通り閉創

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術後所見

胆嚢摘出後、食欲改善・嘔吐認めない為、翌日退院となりました。